行進曲「勇気の旗を掲げて」

March "Raise the banner of brave"

マーチ/行進曲
グレード:
03:30
最終更新: 2025年9月27日

作曲者・編曲者

作曲: 渡口公康

解説

2024年度全日本吹奏楽コンクール課題曲に選ばれた、渡口公康作曲による行進曲《勇気の旗を掲げて》。
伝統的なスーザスタイルを踏襲しながらも、現代の吹奏楽シーンに新鮮な息吹をもたらす作品です。

渡口公康氏は2011年度課題曲《南風のマーチ》でも知られる作曲家。
今回の作品が生まれたきっかけは、なんと応募直前に起きたパソコンのブルースクリーンでした。
行き詰まりを感じていた中で「シンプルに戻る」という発想に至り、伝統的な二分の二拍子(2/2)で書き上げることを決意。
締め切り間際の集中作業によって、ようやく形となったのが本作です。

作曲者自身は「戦い続けた課題曲応募の中で巡り合えた偶然」と語りつつ、支えてくれた音楽仲間や関係者への感謝を強調しています。
その背景を知ると、曲名の「勇気の旗を掲げて」という言葉にも特別な重みを感じることでしょう。

曲の形式と特徴

この行進曲は、伝統的なスーザ型マーチの形式を踏襲しています。

  • イントロ4小節
  • 第1マーチ16小節(繰り返し)
  • 第2マーチ16小節(繰り返し)
  • トリオ32小節
  • ブリッジ12小節
  • トリオ再現(オブリガートを加えつつ展開)
  • コーダ

といった構成で、クラシカルかつ王道の行進曲スタイルです。

オーケストレーションも奇をてらわずオーソドックス。
低音楽器とホルンによる“あと打ち”がリズムの推進力を担い、全体を引っ張っていく役割を果たします。
特にホルンは全体の半分以上の場面で重要な役割を担っており、バンド全体のまとまりに大きく関わるでしょう。

また、強弱の幅は比較的シンプルに設計されており、クライマックスで初めてフォルテシモが登場します。
エンディングに向けたダイナミクスの構築は、演奏者にとって表現力を磨く絶好の機会です。

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